「客車倶楽部」連動特別企画
10系ハネの冷房化について

10系ハネは当初非冷房にて登場しましたが、昭和40年代にはいるとサービスアップのため、昭和40年の試験用の
1両(オハネ12 71)を経て、昭和41年度から昭和43年度にかけて冷房化改造されました。

ここでは「客車倶楽部」で話題になりました、10系ハネの冷房化改造の時期、及び10系ハネの不足分を補うために
オハ34(元スハネ30・31)を再改造したスハネ30を含めた運用状況についてまとめてみました。

なお、一部に10系ハネ冷房車とスハネ30(非冷房車)の混結が見られますが、運用例がすべて夏季以外であるため
冷房使用時期には冷房車のみを使用していた可能性があります。

特に冷房化改造の過程における編成に関しては不明な点も多いため、詳しい事情をお知りの方がいらっしゃいまし
たら、「客車倶楽部」へ書き込みいただければ幸いです。
 
 

10系ハネの冷房化進捗状況一覧
 車両形式    昭和41年 昭和42年 昭和43年 昭和44年
  5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月
ナハネ11

オハネ12
両数 4 7 10 12 15 19 32 61 62 65 67 72 73 73 73 73 73 74
進捗率 5% 10% 14% 16% 20% 26% 43% 82% 84% 88% 91% 97% 99% 99% 99% 99% 99% 100%
増加率 5% 5% 4% 2% 4% 6% 17% 39% 2% 4% 3% 6% 2% 1%
オハネ17

スハネ16
両数 19 36 41 53 74 91 103 117 117 133 159 203 221 256 269 278 289 302
進捗率 6% 12% 14% 18% 25% 30% 34% 39% 39% 44% 53% 67% 73% 85% 89% 92% 96% 100%
増加率 6% 6% 2% 4% 7% 5% 4% 5% 5% 9% 14% 6% 12% 4% 3% 4% 4%
ナハネフ10

オハネフ12
両数   18 20 24 29 34 41 43 43 48 57 71 74 89 101 101 105 110
進捗率   16% 18% 22% 26% 31% 33% 39% 39% 44% 52% 65% 67% 81% 92% 92% 96% 100%
増加率   16% 2% 4% 4% 5% 2% 6% 5% 8% 13% 2% 14% 11% 4% 4%
ナハネフ11

オハネフ13
両数                         1 2 4 8 12 16
進捗率                         6% 13% 25% 50% 75% 100%
増加率                         6% 7% 12% 25% 25% 25%
合  計 両数 23 61 71 89 118 144 171 221 222 246 283 346 369 420 447 460 479 502
進捗率 5% 12% 14% 18% 24% 29% 34% 44% 44% 49% 56% 69% 74% 84% 89% 92% 95% 100%
増加率 5% 7% 2% 4% 6% 5% 5% 10% 5% 7% 13% 5% 10% 5% 3% 3% 5%
 
グラフ作成・提供 クモイ103様
 
赤文字は特に冷房化改造が多かった時期(増加率10%以上)です。
 
※改造月日が不明の車両が数両存在し、昭和43年度末に計上しております関係で、両数は概算となります。
 
参考文献:鉄道ピクトリアル 国鉄形車両の記録「10系軽量客車」


10系ハネ・スハネ30運用列車例(昭和42年〜43年)
運行年月 列車番号 列車名 運行区間 使用客車(ハネ:2等寝台車)
昭和42年10月

 (所定編成)
101・102レ 急行「明星」 東京−大阪 スハネ30×9両 ナハネフ10×2両
103・104レ 急行「銀河」 東京−姫路 スハネ30×7両 オハネフ12×1両
23・24レ 急行「出雲」 東京−浜田 ナハネ11×3両 ナハネフ10×2両
25・26レ 急行「安芸」 東京−広島
(呉線経由)
オハネ12×1両 スハネ16×6両 オハネフ12×3両
203・204レ 急行「夕月」 新大阪-宮崎 スハネ16×4両 オハネフ12×2両
207・208レ 急行「玄海」 京都-長崎 スハネ16×3両
503・504レ 急行「金星」 大阪−富山 スハネ30×7両
207・208レ 急行
 「第3・2十和田」
上野−青森
(常磐線経由)
オハネ17×4両 ナハネフ10×1両
105・106レ 急行「北星」 上野−盛岡 スハネ30×7両 ナハネフ10×2両
403・404レ 急行
 「第2・1津軽」
上野−青森
(奥羽線経由)
オハネ17×3両
昭和43年 2月
(特定日編成)
21・22レ 急行「さぬき」 東京−宇野 スハネ30×2両 スハネ16×6両 オハネフ12×1両
昭和43年 3月
(特定日編成)
31・32レ 急行
 「雲仙・西海」
東京−
 長崎・佐世保
オハネ12×2両
昭和43年10月

 (所定編成)
101・102レ 急行「銀河」 東京−大阪 オハネ12×1両 スハネ16×3両 オハネフ12×2両
209・210レ 急行「日南」 京都−都城 オハネ12×1両 スハネ16×2両
33・34レ 急行「出雲」 東京−浜田 オハネ12×4両 オハネフ12×1両
37・38レ 急行「安芸」 東京−広島
(呉線経由)
オハネ12×2両 スハネ16×5両 オハネフ12×3両
209・210レ 急行「日南3・1号」 京都−都城 オハネ12×1両 スハネ16×2両
211・212レ 急行「雲仙2号」 京都−長崎 スハネ16×4両
501・502レ 急行「きたぐに」 大阪−青森 スハネ16×3両 オハネフ12×1両
503・504レ 急行「つるぎ」 大阪−富山 スハネ30×7両
103・104レ 急行「北星」 上野−盛岡 スハネ16×7両 オハネフ12×2両
1101・1102レ 急行「新星」 上野−仙台 スハネ16×5両 オハネフ12×2両
205・206レ 急行
 「十和田5号」
上野−青森
(常磐線経由)
スハネ16×2両
401・406レ 急行
 「津軽1・2号」
上野−青森
(奥羽線経由)
スハネ16×3両
701・702レ 急行「天の川」 上野−新潟 スハネ16×6両 オハネフ12×1両
801・802レ 急行「鳥海2・3号」 上野−秋田 スハネ16×3両
1601・1602レ 急行「北陸2号」 上野−金沢 スハネ16×7両 オハネフ12×2両
815・816レ 急行「きそ8・7号」 名古屋−長野 スハネ30×1両 スハネ16×1両
417・418レ 急行「狩勝4・3号」 札幌−釧路 スハネ16×5両 オハネフ12×1両

10系ハネ(冷房車)とスハネ30(非冷房車)の混結編成例
昭和42年10月 103・104レ 急行「銀河」 東京−姫路 (所定編成)
マニ
  32
オハネフ
    12
オロネ
   10
オロネ
   10
スハネ
   30
スハネ
   30
スハネ
   30
スハネフ
    30
スハネ
   30
スハネ
   30
スハネ
   30
スハ
  44
スハ
  44
スハフ
   43
              
昭和43年 2月 21・22レ 急行「さぬき」 東京−宇野 (特定日の編成)          
オユ
  12
スハニ
   35
オロネ
   10
スロ
  54
オシ
  16
スハネ
   16
スハネ
   30
スハネ
   30
スハネ
   16
スハネ
   16
スハネ
   16
スハネ
   16
スハネ
   16
オハネフ
    12
              
昭和43年10月 815・816レ 急行「きそ8・7号」 名古屋−長野 (所定編成)       
マニ スユニ スハネ
   30
スハネ
   16
オハフ ナハフ ナハ オハ オハ オハフ
 
※10系ハネ及びスハネ30使用列車の一部の記載です。 すべての列車の記載ではありません。
 
青文字は冷房化改造された車両です。
 
参考文献:昭和43年10月1日国鉄白紙ダイヤ改正全国版優等列車編成順序表 ・ 「改訂版」往年の客車列車編成表
 
昭和47年2月15日 上野駅 急行「天の川」 スハネ30 2128  (次位はスハネ16)
撮影・提供 竹中@ノーブルジョーカー様


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